ポップ音楽ファンとしての個人的な歴史を100曲で振り返るシリーズPart.4

61. September Gurls/Big Star (1974)

「Melody Maker」(というイギリスの音楽週刊紙がその昔あったのじゃよ)に再結成のタイミングで記事が載っていて、渋谷のFRISCO(というCDショップがその昔…以下省略)で1stと2ndが1枚に収録されたやつを聴いたらとても良かった。特にこの曲はパワーポップという勢いのあるネーミングのサブジャンルを代表する最高のチューン。

62. 東京は夜の七時/ピチカート・ファイヴ (1993)

お洒落をして街に繰り出すというなんでもないようなことがしあわせだったと思うというような感慨をいだかせてくれる、あの時代の街の気分を真空パックしたような楽曲。この頃、この曲が似合う街や景色が確実に存在した。そして、この曲の中にはいまもあるように感じられる(待ち合わせたレストランはもうつぶれれなかったとしても)。

63.Get It Together/Beastie Boys (1994)

パンクロック的な「サボタージュ」が有名な「イル・コミュニケーション」はジャンル横断的な意味も含め、90年代でもかなり重要なアルバムなのではないかというような気もするのだが、一方でジャズを取り入れたヒップホップのクールな気分が感じられるのがこの曲である。暑い夏の日のワンルームマンションで、よく聴いていた記憶がある。

64. Live Forever/Oasis (1994)

イギリスのインディー・ロックが盛り上がってきていて、とどめの一撃という感じで登場したオアシスのデビュー・シングルがリリースされたのは、ニルヴァーナのカート・コバーンが命を絶った数日後であった。この曲は3枚目のシングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで初のトップ10入りを果たした。とにかく曲の良さが大きな魅力で、渋谷クラブクアトロでの初来日公演ではすでにこの曲をオーディエンスが合唱していた。

65. Ping Pong/Stereolab (1994)

実験ポップ的でアンニュイな感じがしてとても良かった。西新宿のラフトレードショップで7インチシングルを買ったような気がする。この頃はとにかくあの店でよくレコードを買っていた。

66. Caught By The Fuzz/Supergrass (1994)

勢いを増すブリットポップからは新しいバンドも次々とブレイクし、特にスーパーグラスは若さが迸っていて素晴らしかった。翌年に「オールライト」をヒットさせるが、このデビュー・シングルではガレージ・ロック的な疾走感も感じさせ、とても良かった。

67. Carnival/The Cardigans (1995)

渋谷の街そのものがとても盛り上がっていたような気もするのだが、いわゆる「渋谷系」的なものだけではなく、ギャル文化的なものも含めてである。カーディガンズの CDはおそらく全国的に売れていたとは思いもするのだが、個人的には渋谷の特にクアトロの方のWAVEの印象がひじょうに強い。この頃は渋谷という街に対する依存度が個人的に最も高かったというか、幡ヶ谷ではあったが渋谷区民でもあった訳だが、当時の渋谷の空気感をヴィヴィッドに感じさせてくれる曲という印象が強い。

68. サマージャム’95/スチャダラパー (1995)

この曲の登場人物のように日常的にクラブに遊びに行くような生活を送っていた訳ではないが、含まれている気分のようなものはあるレベルにおいて共有していたような気がする。代々木上原のTSUTAYAで収録アルバムのCDを買った。

69. 若草の頃/カヒミ・カリィ (1995)

カヒミ・カリィのことはビジュアルも音楽も大好きだったのだが、先日、引っ越しの準備中にチラシやポストカードなどがいろいろ出てきて、それを思い出したりもした。日常的にそれほどご機嫌な気分が続いていた訳でもないのだが、いま思い出すとキラキラと輝いていた夏、この曲のような気分は手が届くかもしれないぐらいの距離にあるような気がした。

70. You And Me Song/The Wannadies (1994)

ギターポップというサブジャンルがどのようなものを指しているのかジャストで理解している自信はまったくないのだは、この曲はそういったベクトルにおいてパーフェクトに近いのではないかと感じた。バーバッバー♪というようなフレーズがある曲はだいたい素晴らしいというセオリーを実証する曲のうちの一つでもあるように思える。

71. 情熱/UA (1996)

クラブ・ミュージックはおそらくひじょうに盛り上がっていて、「渋谷系」的な人達の多くはそっちの方面に行ったのではないかと思える。私はそっちには行けなかったのだが、下北沢のコンビニエンスストアでこの曲を聴いた時、クラブ・ミュージックにも遂に流行歌レベルの大衆性を持つ曲が誕生したかと感じたことを覚えている。小泉今日子がラジオ番組か何かで、この曲に言及していた。

72. Where It’s At/Beck (1996)

オルタナティヴ・ロックにフォークやカントリー、ヒップホップの要素も入ったとても良い曲。情報量は多いのだが、和みさえ感じさせるところがとにかくすごい。晴れた休日の午後、下北沢の雑貨店で一緒にいた人が買物を終えるのを外で待っている時に流れていて、とても良いなと感じた印象が強い。

73. Good Enough/Dodgy (1996)

ドッジーというバンド自体は良質なブリットポップバンドとしてわりと好きだったのだが、この曲はより幅広い層に受けそうな音楽性で実際にイギリスでヒットした。結局のところ、こういうキャッチーで平和的な曲が個人的に好きなのだな、ということに気づかされたりもする。

74. Little Jの嘆き/GREAT3 (1996)

90年代の一時期、日本のポップ・ミュージックやカルチャーをごく一部を除いてシャットアウトしていたのだが、新しいバンドでもGREAT3はなぜか好きだった。大雑把にいえば洋楽的な音楽性と、狂気スレスレの悲しみや切なさというようなものが含有されている歌詞が素晴らしく、良質なロックバンドという域を遥かに超越していた。そのエッセンスが特に濃厚に感じられるのがこの曲であり、TVKの「ミュートマJAPAN」でビデオを見てからさらに好きになった。

75. Shangri-La/電気グルーヴ (1997)

「電気グルーヴのオールナイトニッポン」がある世代の人々にとってひじょうに大きな影響をあたえたという話をよく聞くのだが、それについては個人的に縁がなく、実はデビュー・アルバムも買いはしたものの、音楽的には良かったのだが歌詞のセンスがあまり好みではなかった。この曲をどのようなシチュエーションで初めて聴いたのかはよく覚えていないのだが、とにかく画期的に素晴らしく、日本のポップ・ミュージックの可能性を拡張したのではないかと思わされた。この年から日本社会の雰囲気が一気に暗くなっていった印象があり、この曲の美しさはそういった当時の気分と表裏一体となっているようなところも個人的にはある。

76. Doo Wop (That Thing)/Lauryn Hill (1998)

都心とは少し離れたところにいることが多かったこの年なのだが、この曲を収録したローリン・ヒルのアルバムは普段は洋楽をあまり主体的には聴かない人達も含め、幅広い層から支持されていた印象がある。メインストリームの主流はロックやポップスからR&Bやヒップホップに変わっていっていたのだが、このアルバムの売れ方にはそれを強く意識させられたような気がする。

77. Malibu/Hole (1998)

ホールは特別にものすごく好きだったのかといわれるとそうでもないのだが、アルバム「セレブリティ・スキン」からシングル・カットされたこの曲は特別である。スマッシング・パンプキンズ「1979」などもそうなのだが、自分自身と同世代のオルタナティヴ・ロックのアーティストが幼い頃にラジオなどで聴いていたであろうコマーシャルなロックやポップスから影響を受けた感じの曲をやるのがたまらなく良いな、と感じたりもしていた。この曲にはフリートウッド・マック辺りからの影響が感じられるような気がした。

78. Automatic/宇多田ヒカル (1998)

この頃、仕事でメインストリームの日本のポップ・ミュージックについて知っていなければいけない必然性が生じ、いろいろ情報をリサーチするようにもなるのだが、年末近くにリリースされたのが15歳の大型新人、宇多田ヒカルのこのデビュー曲である。個人的に特別に思い入れがあるかというと特にそうでもなかったりはするのだが、イントロが流れるとほぼ同時に当時の感覚が甦ってくる。それと同時に、紛れもないJ-POPクラシックだということができるだろう。日本のポップ・ミュージックにおいても、これぐらいの時期からいよいよR&B/ヒップホップ的なものの方が主流になっていったのだろうか。

79. イージーライダー/深田恭子 (1999)

フカキョンこと深田恭子は新しいアイドル、女優として大人気だったのだが、もうそういったものに現を抜かす年齢でもなかったので(当時はアイドルに夢中になるようなことなど二度とはないのだろうと確信していた)そこには興味がなかったのだが、この曲は有線放送で聴いてとても良いのではないだろうかと、すっかり気に入ってしまったのだった。曲もサウンドも歌も素晴らしいのだが、歌詞が「倫理や論理など振りかざす前に きつく抱きしめてよ 今すぐ」「永遠って言ったって なんだって終わるでしょ 始まってずっと続く恋なんて信じられない」などとにかくもう最高である。

80. Last Nite/The Strokes (2001)

メインストリームのロックが個人的な趣味や嗜好とは本格的に合わなくなってきて、もうそろそろ引退の時期かなと感じていた頃に、このクールでセクシーなロックンロールバンドが登場して、再び一気に盛り上がったのであった。収録アルバムの「イズ・ディス・イット」も全曲すべて最高である。

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