好きなロック・ソング・ベスト50

はい、そういう訳でございまして(流暢なだけでおもんないMCの口調で)、ロックは死んだのか死んでいないのか、はたまた一体、何がロックで何がそうではないのか、意見はいろいろあるとは思うのだが、それぞれの心の中に自分なりのロックがあったり無かったりすればいいのではないかと感じたり感じなかったりもする昨今、これに乗じてそれでは自分自身が好きなロック・ソングとはどういうものなのかと適当に考えて作ったのがこのランキング、あくまで(私が考える)ロック・ソングという視点での選曲でありランク付けになっているような気がするのだが、もちろんまったくたいしたものではない。50曲を挙げていく間に、私にとってロックとは一体、何なのかというような命題の答えに少しでも近づけるだろうか(近づけなくても一向に構わないが)。

50. Be-Bop-A-Lula/Gene Vincent & His Blue Caps (1956)

子供の頃、家にこの曲のレコードがあって、おそらく親が買ったものだと思うのだが、面白がってよく聴いていた。ビーバッパルーラと聞こえるフレーズに一体どのような意味があるのかは定かではなかったのだが、何となく声に出してみたくてよく歌っていた。エコーがかかったようなセクシーなボーカルにシビれる。生まれて初めて好きになったロックの曲かもしれない。

49. Jump/Van Halen (1983)

ある時期におけるパンク/ニュー・ウェイヴ勢とハード・ロック/ヘビー・メタル勢との対立というのは実際にあったような気もするのだが、どれぐらい深刻なものだったかについては定かではない。とはいえ、パンク/ニュー・ウェイヴが好きという設定で生活をしていたので、ハード・ロック/ヘビー・メタルは嫌いなことにしていたのだが、ヴァン・ヘイレンのこの曲はシンセサイザーも入っていてポップだったのでとても好きだった。ビデオでのエディー・ヴァン・ヘイレンが野村義男に似ている時があると思った。

48. Sunday Bloody Sunday/U2 (1983)

ボーノがカリスマ的な感じになってアメリカでもブレイクするようになる前のこの頃の方がU2にロックを感じられたような気がしなくもないのだが、それは人それぞれのロック観がどのようなものかにもよるだろう。とりあえず、「U2聴いて憂鬱になるよりいいべ」などと言って体育準備室で調子に乗っていた彼は今頃どこで何をしているのだろうか。

47. Edge Of Seventeen/Stevie Nicks (1981)

映画「スクール・オブ・ロック」の中で堅物の女性教師が、飲食店のようなところでエキサイトして歌い踊るシーンがある。フリートウッド・マック「ドリームス」のTikTok効果によるリバイバルやマイリー・サイラスの最新作など時代の気分がスティーヴィー・ニックス的なものを欲しているような気がしなくもない。

46. Sunshine Of Your Love/Cream (1967)

ブルース・ロックというのはテクニック重視でむさ苦しい男が聴くものというような印象がなんとなくあり、毛嫌いして聴いていなかったのだが、この曲はそういった要素もありながらポップなので良い。収録アルバムの邦題が「カラフル・クリーム」と軽いのも個人的には好ポイントである。

45. Don’t Stop Believin’/Journey (1981)

洋楽を主体的に聴きはじめた頃にとても売れていたのでレコードを買ってよく聴いていたのだが、少し経つと産業ロックと呼ばれる聴いていてもあまりモテないタイプの音楽だということに気づき、聴かなくなるのだが、何十年も経ってから実はやっぱり良かったのではないか、と思い直した人達は他にも結構いたような気がする。

44. Ace Of Spades/Motörhead (1980)

ラウドでヘビーなのだが勢いがあってとても良い。

43. Personality Crisis/New York Dolls (1973)

モリッシーが熱狂的なファンだったことやマルコム・マクラレンを夢中にさせたことでも知られるニューヨーク・ドールズはバンド名とルックスが最高なのだが、それに見合った音楽をやっていたことがとにかくすごい。トッド・ラングレンがプロデュースしている。

42. American Girl/Tom Petty & The Heatbreakers (1976)

初めて知った頃にはすでにかなり売れていて、なかなかクセのあるボーカルだなと思ったりしていたのだが、「ミュージック・マガジン」のクロス・レヴューで中村とうようがやたらと嫌っていたことが思い出される。この曲は初期の代表曲で、シャッフルビートを取り入れたカッコいいロックの一つの到達点ではないだろうか。

41. The Boys Are Back In Town/Thin Lizzy (1976)

パンク旋風がイギリスを席巻する直前に、「NME」はこの曲を年間ベスト・シングルに選んでいたようだ。「ヤツらは町へ」という邦題も勢いがあって良い。

40. Standing In The Way Of Control/The Gossip (2006)

出どころがどこかはよく分からないし、特に調べることもしてはいないのだが、00年辺りにロックは死んだという言説からの様々の意見が飛び交っている状況のようだ。それから6年後にリリースされたというこの曲だが、当時のアメリカにおいて同性婚を違法かしようとする法案に対してブチ切れている、最高にロックな楽曲である。全英シングル・チャート最高7位。

39. Debaser/Pixies (1989)

80年代後半にはヒップホップやハウス・ミュージック、ワールドミュージックなどが新しいポップ・ミュージックとして注目され、ロックはもうすでに過去の音楽、つまり「ロックは死んだ」的な言説というのも確かにあった。アメリカでは「ロッキング・オン」が「殺伐系」と呼んだようなラウドでヘビーなオルタナティヴ・ロックが盛り上がってはいたが、あくまでジャンル内での盛り上がりに過ぎず、メインストリームに影響を及ぼすことなど無いだろうと考えられていたのだが、このピクシーズから強く影響を受けたバンドのうちの一つがやがて時代を変えていくのだった。

38. Take Me Out/Franz Ferdinand (2004)

04年の初めから話題になっていたスコットランド出身のこのバンドは、ニュー・ウェイヴから強い影響を受けた音楽性によって、若者のみならず大人の音楽ファンをも唸らせていたような気がする。この後、UKのニュー・ウェイヴ的なインディー・ロック・バンドが次々とブレイクしていった。プロデュースを手がけているのは、カーディガンズなどで知られるトーレ・ヨハンソンである。

37. Paperback Writer/The Beatles (1966)

ビートルズでどの曲が特に好きかというとその時々によっていろいろ変わったりもするのだが、中期のロック的な曲ではこれは安定して好きかもしれない。これはたまたま私の周りがそうだっただけという話だとは思うのだが、中学、高校でビートルズを聴いていたのがいけすかない方々ばかりだったので、ちゃんと聴いたのが大学以降だったことが悔やまれる(赤盤だけは買ってこっそり聴いていたが、表向きにはストーンズ派という設定にしていた)。

36. Jailhouse Rock/Elvis Presley (1957)

1977年にエルヴィス・プレスリーが亡くなったニュースをテレビで観た記憶はなんとなくあり、ドーナツを食べすぎて死んだなどということもいわれていたような気がする。ラスベガス風のヒラヒラした衣装でバラードを歌っているイメージの方が当時の日本のテレビを観ているだけだと強かったような気もするのだが、ロックの王様と呼ばれるきっかけとなったのは50年代に歌っていたロックンロールの数々だろう。当時、ファーストネームのエルヴィスよりもプレスリーと呼ばれることが日本では多く、吉幾三にも「俺はぜったい!プレスリー」という曲があるのだが、現在はどうなのだろうか。まったくの余談だが、この曲の邦題「監獄ロック」をパクって「看護婦ロック」という曲を高校時代につくったことがあるが、看護学校に進学が予定されていた同級生の女の子が将来、看護婦になったら病気になって入院して毎日看病してもらいたいという、実にしょうもない内容であった。

35. You Made Me Realize/My Bloody Valentine (1988)

ロックはもう終わっていて新しいものを何も生み出さない、みたいなことはこれぐらいの時期にもいわれていて、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインなんていうのはおそらくごく一部のインディー・ロック好きしか知らなかったような気がしなくもないのだが、実際にはこういうひじょうにいろいろな意味でロック的な楽曲が生まれていて、後にメインストリームにも影響を及ぼしていったのだった。あと、この曲を選ぶことからも、どうも個人的にはロックには基本的にある程度はアップテンポなものというような固定概念があるような気がする。

34. Ever Fallen In Love (With Someone You Shouldn’t’ve)/Buzzcocks (1978)

ロックには男らしさというかマッチョイズムというかホモソーシャル的なイメージが含まれている場合もあり、個人的にそういうのはひじょうに苦手な訳だが、バズコックスは軟弱で女々しいとされることもあるような恋愛のナイーヴなことなども勢いよく歌っていたりするのでとても良いバンドで、これが中でもとても有名な曲。

33. Won’t Get Fooled Again/The Who (1971)

70年代のザ・フーはボーカルの髪が長くなり、サウンドもスタジアムロックのようなスケール感を持ち、ブレイク当初とはかなり違っているのだが、この曲はアルバム「フーズ・ネクスト」に収録された邦題「無法の世界」という曲で、ダイナミックでとても良い。

32. Whole Lotta Love/Led Zeppelin (1969)

レッド・ツェッペリンもまた、ハード・ロックのイメージが強くて聴かず嫌いしていたバンドの一つだったのだが、2007年にリマスターのベスト盤が出た時にiTunesで購入して(この頃からCDはもうそれでしか買えないもの以外は買っていなかった。パッケージへのこだわりとか愛着という概念をかつては理解していたような気もするのだが、いいまではほとんど忘れてしまったように思える)、成田からサンフランシスコまでの飛行機の中でずっと聴いていたらあっさり好きになった。

31. I Get Around/The Beach Boys (1964)

早見優がハワイ時代によく聴いていたとファンクラブの会報か何かで言っていたのがきっかけでビーチ・ボーイズは聴きはじめたのだが、ロック的といえばこの曲が初めから分かりやすくて大好きだった。

30. A Hard Day’s Night/The Beatles (1964)

幼い頃(ジャルジャル福徳秀介が言うところの幼き頃)に家にあったカセットテープはA面にガイダンス的な内容が収録されていて、録音できるのはB面だけだったような気がする。そのA面によく分からない人達によるこの曲のカバーが収録されていて、「ハード・デイズ・ナイト」と曲紹介されていた。ところが、この曲の邦題は「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」で、「ア・ハード・デイズ・ナイト」になったのは00年のことらしい。ズバリ、一部の人達によってロックが死んだとされている年である。カセットに入っていたカバーはわりとしょうもなかったと思うのだが、ビートルズのバージョンはイントロのギターがジャーンと鳴って、少し間があってからイッツビーナハードデイズナイト」と歌われるところから最後までずっとカッコいい。歌詞に出てくる犬のように働き丸太のように眠るとは一体どういうことなのかと疑問だったのだが、いまならばそれが分かるような気もなんとなくはしている。

29. Cannonball/The Breeders (1993)

ロックバンド編成によるインディー・ロックではあるのだが、そのフォーマットの中でいろいろな実験がされているようなところもあり、その上でキャッチーということでリリースからずっと大好きでい続けている曲。

28. Song 2/Blur (1997)

様々な紆余曲折を経て人気バンドであり続けているブラーが、脱ブリットポップというか、アメリカのオルタナティヴ・ロックから強い影響を受けていた頃のパンキッシュな楽曲。ブリットポップは大好きなのだが、ここで選んでいる曲がひじょうに少ないことから、どうやら私はあれをロックだと思って聴いていなかった可能性がひじょうに高い。

27. Street Fighting Man/The Rolling Stones (1968)

何がロックかというのは人によってそれぞれだとは思うのだが、私の場合それはローリング・ストーンズ的なものなのだろうな、という気はなんとなくしている。それで、ロックの一般的なイメージとしてあったり無かったりする反権力的な要素も、いわゆる政治の季節的にこの曲には取り込まれているような気もする。

26. Kick Out The Jams/MC5 (1969)

ライブアルバムの名盤として名高い「キック・アウト・ザ・ジャムズ」の表題曲。激しくて魂が込められていてとても良いロック。

25. I Bet You Look Good On The Dancefloor/Arctic Monkeys (2005)

これもまた、「ロックは死んだ」というようなことが何度となくいわれてきた後にリリースされたインディー・ロックのシングルで、ギミック的な要素がほとんど感じられないにもかかわらず全英シングル・チャートで初登場1位を記録した曲。すでに何度も死んでは甦っていたとも取れるロックがまたしても息を吹き返し、メインストリームになった瞬間のうちの一つ。

24. Start Me Up/The Rolling Stones (1981)

個人的にマイ・ファースト・ストーンズといえばこの曲で、それだけ思い入れが強かったりもするのだが、実は当時、好きで聴いていた産業ロックと比べ渋すぎて良さがすぐには分からなかったというのが正直なところ。この曲を収録した「刺青の男」が最後のグレイトなローリング・ストーンズのアルバムなどともいわれていたと思うのだが、最近では「アンダーカヴァー」最高傑作説なるものも目にしたので、こういう評価というのは時代と共に変わっている方が健全なような気もする。

23. Fotunate Son/Creedence Clearwater Revival (1969)

CCRことクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルは60~70年代のビッグネームの中ではわりと通好みというような印象がなんとなくあったが、佐野元春のラジオ番組で聴いて気に入ったのでベストアルバムを買ったような気がする。この曲はベトナム戦争中の上級国民的な人々と庶民との格差について言及されているようにも思えるプロテストソングである。

22. Hey Hey, My My (Into The Black)/Neil Young & Crazy Horse (1979)

ニルヴァーナのカート・コバーンが遺書に歌詞を引用したことで知られるニール・ヤング&クレイジー・ホースのこの曲は、グランジの元祖ともいわれている。また、曲のかなり早い段階で「Rock and roll can never die」とも歌われている。

21. (White Man) In Hammersmith Palais/The Clash (1978)

ザ・クラッシュの楽曲にはよりストレートなパンクロックも数多いが、このレゲエのようなリズムを取り入れた曲の方に、よりロックを感じる。

20. Get It On (Bang A Gong)/T. Rex (1971)

イントロの時点から繰り返される独特なギター・リフとマーク・ボランのセクシーなボーカルの組み合わせが完璧にハマり、ポップ・ソングとして唯一無二の輝きを放っている。では、これがロックの曲としてはどうなのだとなった場合、各々のロック観によって評価が変わるような気がひじょうにする。個人的にはロックに分類するだけでは勿体ない、というような感想をいだく。

19. Ziggy Stardust/David Bowie (1972)

デヴィッド・ボウイは変幻自在の偉大なアーティストであり、やはりロックに分類するのは勿体ない、というような感覚を覚えしまう。これによって、私個人のロック観というのはひじょうに限定された条件によって規定された、自由度の低いわりとつまらなそうなものではないかというような気がなんとなくしてきた。そして、それをデヴィッド・ボウイに当て嵌めるとこの曲になるのだが、別に特に好きな方の曲というわけでもない。しかし、私が考えるロックに近い曲となるとこれになるような気がする。イントロのギターがロックっぽいからなのか。

18. How Soon Is Now?/The Smiths (1984)

ザ・スミスといえばモリッシーがクネクネと踊りながら歌っているイメージがあり、いわゆるステレオタイプなロックのイメージとはちょっと遠いような印章もある。この曲などは出会いを求めてクラブに行くのだが、結局は一人ぼっちで立ちすくし、家に帰って泣いて死にたくなる、というようなセックス&ドラッグ&ロックンロールとは無縁の世界観なのだが、ギターのサウンドにロック的なカタルシスを感じなくもないかな、と思ったりはする。

17. Killing In The Name/Rage Against The Machine (1992)

サウンド的にはハード・ロックやヘビー・メタルのようなものに近いところがあるのかもしれないが、アティテュード的にはパンク・ロックなのでそこがとても良かった。「Fuck you, I won’t do what you tell me」というフレーズに尽きるのであり、この曲が発売からずっと後になってイギリスでクリスマスNO.1になった件も実に痛快である。

16. Seven Nation Army/The White Stripes (2003)

「ロックは死んだ」と一部の人々から見なされているという00年の3年後にリリースされた楽曲。これ以前によりガレージ・ロック的な音楽でブレイクしていて、ロックンロール・リバイバル的なムードにはなっていたのだが、この曲はそこからさらにメインストリームへと広がりを見せるようなアプローチが取られているようにも思える。

15. Johnny B. Goode/Chuck Berry (1958)

チャック・ベリーは80年代にPARCOのCMに出演していたりもしたのだが、いま思うといろいろと感慨深いなと感じる。日本のロックンロールのアーティスト達が集まるライブでは最後にみんなでこの曲を歌って大団円というようなノリもあったように思うが、ある時は山口百恵の「プレイバックPart.2」だったような気もする。そういうのは何だかなあ、というようなニュアンスのことを桑田佳祐あたりがインタヴューで言っていて、私も強く共感したような記憶がある。それぐらいすごい曲。

14. Teenage Kicks/The Undertones (1978)

青春パンクとかいうともっと違った何かが想像されてしまう可能性も高いが、ジ・アンダートーンズのこの曲こそがそうではないかと考えるのである。若さゆえの初期衝動的なサムシングというのは、やはりロックにとってひじょうに重要な要素の一つではないかと思ったりするのだがどうなのだろうか。

13. Last Nite/The Strokes (2001)

ここまで来たところで、ロックとは一体どういうものなのかということについてはっきりとした答えが見いだせないままではあるのだが、2001年にザ・ストロークスを知った時に私はもう大人だったのだが、ロックはまだ死んでいなかった、ここからまたはじまったな、というような感覚ははっきりとあった。音楽のジャンルとしてロックというだけではなく、スタイルとかアティテュードとかそういったものをも引っくるめて、再びまた夢中になるに値するものがいろいろ出てきそうな希望の光が差し込んだ気がした。つまり、私が考えるロックの真髄とはザ・ストロークスの中にこそあるのか。

12. Sweet Child O’ Mine/Guns N’ Roses (1987)

ザ・ストロークスとガンズ・アンド・ローゼズでどちらが好きかと問われたならば、100:1ぐらいで圧倒的にザ・ストロークスである。しかし、好きなロック・ソングをランキング化すると、ガンズ・アンド・ローゼズの方がザ・ストロークスよりも上に来て、何度か再考してみたところでそれは変わらない。ということでますます分からなくなってきているのだが、この曲はメロディーとボーカルが特に素晴らしく、ポップ・ソングとして優れている。その上でロック的な要素が強いので、この順位ということなのだろう。

11. Born To Run/Bruce Springsteen (1975)

ブルース・スプリングスティーンの最高傑作は大抵の場合、「明日なき暴走」という邦題が付いたこの曲となっているので間違いが無いはずだ。個人的には圧倒的な少数派だと分かってはいるものの、「ダンシング・イン・ザ・ダーク」が最も好きである。しかし、ロックの曲というコンセプトで選ぶなら、やはり断然これなのではないだろうか。

10. Layla/Derek &The Dominos (1971)

「いとしのレイラ」である。自分が好きな曲をランク付けするチャートでこの曲がこんなにも上位に入るというのはひじょうに意外なのだが、Apple Musicのプレイリスト上で慎重に順位を上下させていった結果こうなった。確かにとても良い曲ではあるのだが、本当にそれほど思い入れがなくて、それでも好きなロック・ソングでこの順位は納得ができる。そもそもロックがそれほど好きではないのではないか、という疑惑すら浮上する始末である。

9. Blitzkrieg Bop/Ramones (1976)

「ラモーンズの激情」から「電撃バップ」である。これがデビュー・アルバムだがこの後も基本的には同じような音楽をずっとやっていっていた。シンプルなのだがそこが良い。ここにも私が考えるロックの真髄の欠片のようなものが含有されているような気もするのだが、それが何かを名言することができない。

8. All Along The Watchtower/The Jimi Hendrix Experience (1968)

ジミヘンことジミ・ヘンドリクスはひじょうに伝説化されて、絞り染めのTシャツなどがよく売られているイメージである。確かにギターのテクニックなどすさまじいものを感じるが、自分自身の日常にそれほどフィットするかというと、そうでもない。ボブ・ディランをカバーしたこの曲はかなり好きな方である。

7. She Loves You/The Beatles (1963)

ビートルズはロックでもありポップスでもあるのだろう。ヘビー・メタルの元祖などともいわれる「ヘルター・スケルター」などひじょうにロック的だが、好きなロック・ソングとして選ぶとなるとどうも違う。「シー・ラヴズ・ユー」のアドレナリンラッシュ的な感覚が最もそれに近いのかもしれない。特にイェーイイェーイイェイ♪というところ辺りである。

6. Jumpin’ Jack Flash/The Rolling Stones (1968)

これは自分自身でも好きなロック・ソングとしてひじょうに納得がいくし、その上でとても大好きでもある。イントロがいきなりカッコよくて、その後の第一声、それからずっととにかく最高である。やはりロックという音楽は10代で聴いておくべきなのではないかというような気もする。ローリング・ストーンズのこの辺りの曲などはリアルタイムではまったくないのだが、高校生の頃によく聴いていたことによって、個人的な青春のサウンドトラックとしてまったく違和感がない。ローリング・ストーンズの音楽が心底好きだったというよりは、ローリング・ストーンズが好きな男として自分自身をアイデンティファイしたかった。そのような純粋ではない動機の方が実際にはより切実であるため、感覚に馴染みやすいということはあるのかもしれない。

5. You Really Got Me/The Kinks (1964)

この曲は最初、ヴァン・ヘイレンのカバー・バージョンで聴いたのだったと思う。それからザ・キンクスのオリジナルを聴いたのだが、オールディーズと呼べるぐらいの年代の曲なのに、この生々しさは一体何だろうと強く感じた。

4. Paint, It Black/The Rolling Stones (1966)

なるべく色々なアーティストの曲を入れていきたいのでバランスは取るべきなのだが、それでも6位に続いて、10位以内に2曲目のローリング・ストーンズである。ちなみにストーンズといえばいまやSixTONESという側に好きで身を置いているため、今後、ローリング・ストーンズのことをストーンズと呼んでもローリング・ストーンズとは取られない可能性があるのでそうは呼ばなくなるのだが、それに対して不平不満は一切感じない。さて、高校生の頃にベストアルバムを買って、「黒くぬれ!」という邦題のこの曲に特に衝撃を受けた。何もかも黒く塗りつぶせというようなやさぐれた気分、どこか悪くてヤバそうな感じ、これもロックには重要な要素だなという刷り込みがここでされる訳だが、だからといってそれが無い明るくて健康的なものはロックではないかというとそんなこともなく、それはそれで良い場合も少なくはないので、ますますよく分からなくなってくる。

3. My Generation/The Who (1965)

ザ・フーの「マイ・ジェネレーション」もとてもカッコよくてずっと大好きなのだが、この曲で印象的なのは、年老いる前にくたばっちまいたい、というようなフレーズである。当のザ・フー自身がかなりのベテランになっても現役でやっていたりはしたのだが、やはりロックは若者の音楽であった方が健全なのではないかというような気がなんとなくするのだが、その若者達がロックを聴かなくなっているというのが「ロックは死んだ」問題なのだろうか。

2. Anarchy In The U.K./Sex Pistols (1976)

セックス・ピストルズのジョニー・ロットンことジョン・ライドンは実にユニークなパンクロック歌手であり、その残したアートはそれとして評価され続けるべきであろう。リアルタイムでは聴いたことがなく、ずっと雑誌や本などでその伝説には触れていて、どんなに過激な音楽なのだろうと想像だけはふくらんでいたのだが、実際に聴いてみると意外にも普通だなというのが正直な感想であった。しかし、それはもうセックス・ピストルズがポップ・ミュージックに影響をあたえた後の世界だったからかもしれない。当時の世の中にあたえたインパクトというのは、想像をすることしかできない。しかし、そうだったとしてもこれはやはりポップ・ミュージックとしてひじょうに優れているのでばないだろうか。「ロックは死んだ」というフレーズをジョニー・ロットンが言ったものとしてまず知ったような気がするのだが、その頃からある面では死んである面では生き残ってきたというような感じではあるのだろう。

1 Smells Like Teen Spirit/Nirvana (1991)

実は80年代後半辺りの時点において、私自身が「ロックは死んだ」的なことをわりと本気で考えていて、一時期、ロック以外のCDやレコードばかり買っていたことがある。ポップ・ミュージックは時代と共にサウンドが進化していくのであり、ヒップホップやハウス・ミュージックがメインストリームになりつつある現在、ロックはもうすでに過去の音楽であり、このまま滅びていくのだろう、というような感覚を確かに持っていたような気がする。その当時もロックのアーティストはたくさんいて、作品もリリースされ続けていたのだが、それらはアンダーグラウンドな趣味的なものとしていずれ落ち着いていくのではないか、などと思っていたところ、どうもアメリカのインディー・ロックが面白いという話も出てきて、ラウドでヘビーな音楽性を持っていて、「ロッキング・オン」では「殺伐系」などと呼んだりもしていた。その中からニルヴァーナの「ネヴァーマインド」がリリースされ、「ロッキング・オン」ではレヴューに「売れそな殺伐」とかいう見出しを付けたりもしていたのだが、私も買ってすぐに気に入った。あれよあれよという間に全米アルバム・チャートを駆け上がり、マイケル・ジャクソンやガンズ・アンド・ローゼズの新作などを抜いて、遂には1位に躍り出た。当時、このタイプの音楽としては異例のことであり、それからオルタナティヴ・ロックのメインストリーム化が促進され、死んだかに見えたロックは時代の最新トレンドになった。という訳でロックには死んだように見えても実は死んだことは一度も無く、忘れた頃にメインストリームに返り咲くというような歴史を繰り返している、なのでこれからの未来にも期待が持てる、というようにまとめたくもあるのだが、お気づきの通り、このリストにはアークティック・モンキーズ、ゴシップ以降、直近15年ぐらいの曲が全く選ばれていない。ということでやはりうまくまとまらないし、よく分からないまま終わっていくのであった。

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