究極の80’Sポップ・コンピレーションに入っていたらいいと思う40曲

80年代の途中まで高校生だったので、その頃の全米ヒット・ソングの多くには青春のサウンドトラック的な思い入れがないわけでもない。

しかし、当時、我々が生きている80年代という時代はたとえば50年代や60年代や70年代と比べ、あまりにも軽すぎて何も残さないのではないか、というような思いもなんとなくあった。エルヴィス・プレスリーやビートルズやレッド・ツェッペリンやセックス・ピストルズなどが当時から歴史に名を残していたわけだが、その頃に我々が聴いていたデュラン・デュランやカルチャー・クラブのことを、10年後には誰も覚えていないのではないか、というような感覚である。

1990年3月に発行された「別冊宝島110 80年代の正体」の表紙では「それはどんな時代だったのか ハッキリ言って「スカ」だった!」と決めつけられていたし、80年代に青春時代を過ごした私からしても、概ねそれに異論はなかった。

しかし、00年代に入るとなんとなく80年代リバイバルのようなものが起こったりもして、こういうのは順番にいずれ発生するものなのかと思わされたりした。その決定打ともいえるのが、2002年にリリースされたコンピレーションCD「エイティーズ」であった。

こういったタイプのヒット曲がたくさん入ったCDは正当的な音楽ファンの方々からはもちろん低く見られるわけだが、私のようなメジャーで軽くて浅いのが大好きな者からするとたまらないものがある。ところが、権利関係などで収録できない曲があったり、どうにも完全に満足というわけにはいかない。

そこで、なぜにいまこのタイミングなのかという話はあるのだが、もしもレーベルの垣根なども超えた究極の80’Sポップ・コンピレーションがあったとしたら、それにはどのような曲が入っているべきか、というのをやっていきたい。

想定しているのは20曲入りCDの2枚組で、計40曲である。あくまで、80’Sポップというコンセプトに合っているわけだが、このコンセプトというのもきわめて感覚的なものである。いわゆる音楽マニアのような人たちしか聴いたことがないようなものは、対象にならない。あくまで地方都市の公立高校に通っていて、運動系の部活をやっている人でも知っているぐらいの曲、というのがざっくりとした基準のようなものである。

コンピレーションCDにこの曲順で収録されていてほしいというようなものではなく、とにかく思いついたまま挙げていき、40曲に達した時点でやめるという感じでやっていきたい。

1.Thriller/Michael Jackson

80年代でマイケル・ジャクソンという場合にまずはアルバム「スリラー」なのか「BAD」なのかという問題があり、それを「スリラー」としたところで、一般的にオールタイム・ベスト的なリストで選曲されがちなのは圧倒的に「ビリー・ジーン」である。しかし、このコンセプトだと体感的に「今夜はビート・イット」ではないかと思いきや、結局、「スリラー」なのではないかという結論に至った。シングル・エディットの方である。

2. When Doves Cry/Prince & The Revolution

マイケルと来ればプリンスなのだが、ここは迷うことなく「ビートに抱かれて」なのではないかと思う。それにしても、確かにポップでキャッチーなのだが、いろいろユニークでもあると改めて感じる。

3. Like A Virgin/Madonna

となればマドンナなのだが、ポップ・ミュージック批評的には「ライク・ア・プレイヤー」とかいろいろあると思うのだが、80’Sポップ感という意味では存在を一気にメジャーに押し上げ、シグネチャー的楽曲のイメージも強い「ライク・ア・ヴァージン」だろうか。

4. Let’s Dance/David Bowie

ナイル・ロジャースのプロデュース作品つながりで、デヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」。

5. The Reflex/Duran Duran

デヴィッド・ボウイからの影響も大きく受けていたであろうデュラン・デュランで、このコンセプトならば、初の全米NO.1ヒットとなったこの曲だろうか。

5. Karma Chameleon/Culture Club

第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン筆頭としてある時期までデュラン・デュランと人気を二分したカルチャー・クラブからは、個人的に好きで明らかにクオリティーもより高いと思われる「君は完璧さ」「タイム」などではなく、こちらも全米NO.1ヒットの「カーマは気まぐれ」をセレクト。

6. Wake Me Up Before Go Go!/Wham!

イギリスよりも少し遅れてアメリカでもブレイクしたワム!なら、「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」で決まりだと思われる。

7. Jump/Van Halen

なんとなく1984年のヒット曲が多いような気もするが、この年のはじめといえば、ハード・ロック/ヘヴィー・メタルが苦手な私でも大好きだったヴァン・ヘイレン「ジャンプ」の印象が強い。

8. Dancing In The Dark/Bruce Springsteen

実はその長いキャリアにおける歴代最高位を記録したのがこの曲である。80年代前半にしてストレートなロックンロールというのが特徴だったが、この曲ではシンセサイザーの印象的な起用など、時代のトレンドにやや寄せている部分が感じられる。それでも、歌詞の世界観は完全にスプリングスティーンらしいものである。これも1984年のヒット曲。

9. I Wanna Dance With Somebody/Whitney Houston

バラードのイメージも強かったホイットニー・ヒューストンが1987年にヒットさせた、アップテンポなダンス・ポップで全米NO.1を記録した「すてきなSomebody」。

10. All Night Long (All Night)/Lionel Richie

こちらもバラードの印象が強いライオネル・リッチーのご機嫌なダンス・チューン、「オール・ナイト・ロング」。

11. Private Eyes/Daryl Hall & John Oates

1984年までの時点では80年代でNO.1ヒットが最も多かったホール&オーツの1981年のヒット・シングル。この曲でタイトルが私立探偵の意味だと知った中高生はわりと多かったのではないだろうか。

12. Girls Just Want To Have Fun/Cyndi Lauper

そして、シンディ・ローパーの「ハイスクールはダンステリア」だが、現在はもうこの邦題では呼ばないようである。

13. Sledgehammer/Peter Gabriel

ゴドレイ&クレームのビデオ・クリップが凝っていて楽しかった、ピーター・ガブリエルの1986年の全米NO.1ヒット。

14. Walk This Way/Run-DMC

ラップ・ミュージックを一般層に広めたRUN-D.M.C.のエアロスミスのカバーにして共演曲。

15. Every Breath You Take/The Police

モノクロのビデオも印象的な、純粋なラヴ・ソングかと思いきや実はストーカー的な執念について歌っていたというポリスの「見つめていたい」。

16. West End Girls/Pet Shop Boys

ペット・ショップ・ボーイズの初めてのヒット曲にして全米NO.1ヒットとなった「ウェスト・エンド・ガールズ」。

17. The Power Of Love/Huey Lewis &The News

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」主題歌でおなじみ、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースで「パワー・オブ・ラヴ」

18. Don’t Stop Believin’/Journey

産業ロックからは00年代以降、再評価が進んだジャーニー「ドント・ストップ・ビリーヴィン」。

19. Take On Me/a-ha

ビデオの評価がひじょうに高かったa-haの「テイク・オン・ミー」。

20. Don’t You Want Me/The Human League

第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンはこの曲の全米NO.1からはじまったかもしれない、ヒューマン・リーグで「愛の残り火」。

21. Sweet Dreams (Are Made Of This)/Eurythmics

シンセ・ポップのユーリズミックスも1983年に「スウィート・ドリームス」で、初の全米NO.1ヒットを記録した。

22. Tell Her About It/Billy Joel

イギリスではKAN「愛は勝つ」にも影響をあたえた「アップタウン・ガールズ」の方がヒットしたが、アメリカでは同じアルバム「イノセント・マン」から「あの娘にアタック」がNO.1ヒットになった。

23. Everybody Wants To Rule The World/Tears For Fears

80年代らしいメジャーなサウンドを感じた、ティアーズ・フォー・フィアーズの「ルール・ザ・ワールド」。

24. Don’t You (Forget About Me) /Simple Minds

同じ頃、やはりメジャーなサウンドを感じたシンプル・マインズ「ドント・ユー?」。

25. Money For Nothing/Dire Straits

そして、ダイアー・ストレイツ「マネー・フォー・ナッシング」。

26. Never Gonna Give You Up/Rick Astley

ユーロビートのリック・アストリー「ギヴ・ユー・アップ」。イントロからダンスがイカしている。

27. Miss You Much/Janet Jackson

個人的には「コントロール」の頃の方が好きだが、この頃から超メジャー化した印象が強いジャネット・ジャクソン「ミス・ユー・マッチ」。

28. She Drives Me Crazy/Fine Young Cannibals

同じく80年代最後の年に大ヒットしたファイン・ヤング・カニバルズ「シー・ドライヴス・ミー・クレイジー」。

29. Call Me/Blondie

80年代最初の年からは原宿の竹の子族からも愛されたという、ブロンディで「コール・ミー」。

30. (Just Like) Starting Over/John Lennon

個人的にはこれも80’Sポップという扱いで良いと思うのだが、どうなのだろう。ジョン・レノンの遺作「ダブル・ファンタジー」から全米NO.1ヒットの「スターティング・オーヴァー」。

31. Coming Up/Paul McCartney

ポール・マッカートニーは個人的に初めて買った洋楽のレコードというバイアスがかかりまくって、1980年のNO.1ヒット「カミング・アップ」(アメリカで1位になったのはライブ・バージョンだが)。

32. Sweet Child O’ Mine/Guns N’ Roses

いよいよ残り10曲を切ったので、悔いの残らないようにしていきたい。それで、ガンズ・アンド・ローゼズの「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」も全米NO.1だし入れておく必要があるのだろう。

33. Livin’ On A Prayer/Bon Jovi

そうなるとボン・ジョヴィもで、やはり「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」なのか。

34. (You Gotta) Fight For Your Right (To Party!)/Beastie Boys

これはどうなのだろうという気持ちがあるが、全米トップ10には入っているしアルバムは1位だし、バランス的に入れてもいいような気がするビースティ・ボーイズ「ファイト・フォー・ユア・ライト」。

35. Physical/Olivia Newton-John

残り曲数もいよいよ少なくなってきたところで、いくつか候補曲は頭に浮かんでいるものの、どれを正解とするか悩ましいところである。そして、全米シングル・チャートで1位の連続週数(10週)だけならば間違いないであろう、オリヴィア・ニュートン・ジョンの「フィジカル」である。

36. Africa/Toto

AORからは再評価もされてきている、TOTOの「アフリカ」。

37. With Or Without You/U2

紛れもないロックなのだが、ものすごく売れたのでこれも80’Sポップと見なす、U2で「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」。

38. Addicted To Love/Robert Palmer

ビデオがとても印象的だった、ロバート・パーマーの「恋におぼれて」。

39. Walk Like An Egyptian/Bangles

バングルスで「エジプシャン」。

40. Owner Of A Lonely Heart/Yes

渾身のラストはイエスで「ロンリー・ハート」。絶対に後でこっちを入れておけばよかったと後悔するものがあるような気がしてならないのだが、とりあえずこれで終了である。それにしても、この曲のビデオはなんだか不安を煽るものだった。

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