ニュー・オーダーの「ブルー・マンデー」について解説した動画が良かった。

ニュー・オーダーの「ブルー・マンデー」といえばインディー・ロックとダンス・ミュージックを融合した画期的な楽曲にして、イギリスで最も売れた12インチ・シングルといわれていることなどから、ポップ・ミュージック史上ひじょうに重要だとされている。

この曲について解説している動画を見つけたので早速、視聴してみたのだがかなり良かった。まず、約15分間と短いのがとても良い。この中でこの曲が生まれる背景だとか、影響を受けた音楽やトリビアについてコンパクトにまとめられている。その内容そのものは、これまでメンバーによって雑誌のインタヴューなどで語られたものであり、それらをまとめたりしているサイトのレベルを超えるものではない。

しかし、どこが良いかというと、たとえば影響を受けた音楽のところでは、実際にその部分を比較して流し、ひじょうに分かりやすくなっている。

前提としてジョイ・ディヴィジョン時代にイアン・カーティスが他のメンバーにも聴かせようとレコードを持ち込んでいたというクラフトワークや、当時、流行していた新しいタイプのダンス・ミュージックがあった。

ジョイ・ディヴィジョンの渡米直前にヴォーカルのイアン・カーティスが自殺をしたことにより、バンドは解散、残されたメンバーにキーボーディストを加えてニュー・オーダーが結成されたのだが、1981年のデビュー・アルバム「ムーヴメント」のレコーディング・セッションで、ベーシストのピーター・フックはレコーディングのノウハウを習得する。

「ブルー・マンデー」といえば、とても印象的なのがあのドラムビートである。私が旭川の高校生だった頃、インターネットもTwitterもYouTubeも無いので、「ロッキング・オン」「ミュージック・マガジン」「宝島」「渋谷陽一のサウンドストリート」などから情報を得ていて、「ブルー・マンデー」のことも知ることになった。何やらイギリスでものすごく売れているらしい。「渋谷陽一のサウンンドストリート」だったか石田豊の「リクエストコーナー」だったかは忘れたが、とにかくFMラジオで流れていたのをカセットテープに録音して聴いていた時も、とにかくあのドラムビートがとても印象的で、友人と「ドッドッドドドドドドドド、ドッドッドッドッ」などと教室で口真似をしたりしていた。それとあの、バーナード・サムナーの陰鬱なヴォーカルである。

それはまあ良いのだが、このドラムビートというのがドナ・サマーの「アワ・ラヴ」という曲にインスパイアされているのだが、実際に聴いてみると確かによく似ている。これをインディー・ロック組み合わせてしまうセンスがすごいのだ。まったくの余談だが、私が大好きな新潟のアイドルグループ、Negiccoのアルバム「ティー・フォー・スリー」に「マジックみたいなミュージック」という曲が収録されていて、一瞬だけこの「ブルー・マンデー」のドラムビートのような箇所があるのには興奮した。

あと、ニュー・オーダーのレーベル、ファクトリーが所有していたマンチェスターのハシエンダというクラブは80年代後半から90年代初めにかけてマッドチェスター・ムーヴメントのメッカともなるのだが、そこでかかっていたというKlein & M.B.O.の「ダーティ・トーク」という曲からも影響を受けているらしく、聴いてみたところ確かにそうだった。他にあの機械的なコーラスのようなものはクラフトワーク「Ulanium」からサンプリングされたものだということなども、実際に音を流しながら検証されていく。

そして、ピーター・フックのベースがエンリオ・モリコーネの映画音楽、具体的には「夕陽のガンマン (For a Few Dollars More)」のサウンドトラックから影響を受けたものであることも実証されていく。

言語は英語なので日本語ネイティヴにとってはハードルが高く感じられるところもあるが、音楽の部分だけでもじゅうぶんに楽しめるし、語りもポイントとなる部分については音声だけではなく、英語ではあるが文字でも表示してくれているので、理解がわりとしやすくもある。

ちなみに「Produce Like A Pro」というYouTubeチャンネルの「Songs That Changed Music」というシリーズで、なかなか面白そうなのでチャンネル登録はしておいた。これで「ブルー・マンデー」を聴く楽しみがまた増えたような気もしている。

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